『船を建てる』 (鈴木志保)

shipbuilding

笑いなよ。世界の終わりじゃないんだからさ?

「土曜の夜だゼ!!」。djが叫び、'20000v'へ――「8時だヨ!!」。それぞれのテレビの前に全員集合――おなじことだ――舞台転換。世界が変わる音楽。不思議な魔法にかかったみたい。僕らのこころは高鳴りざわめく。

戦場で。nasaで。学校で。幽霊屋敷で。銀行で――「銀行は襲うためだけにある/そう思うだろ? (chibinova / ダンステリア)」――'コーヒー'と'煙草'。そして、僕らドリフターは夢を見てた。とっても、よく似た夢を。'show must go on'――そういって、パレードを続く。冒険者みたいな漂流者たちへ見る、逃亡者たちの夢。

あんたがいない夜。ナインミリオン・レイニーデイズ。バンドが音を鳴らしたら、十五小節目には、こう云ってやるんだ。

'brush by colgate!(歯、磨けよ!)'

魔法? 信じてるよ。泣いてばかりの君を笑わせた、そんな魔法――果てしない闇を切り裂く。