4-01-01から1年間の記事一覧

galaxie 500 / 1987-1991

僕がいつもしている'ふり'――きみのこと云ってんだ――が、ここにはあらかじめ、ない。 「青い稲妻を見ている」 「ラジオが吹雪を告げている」 「木々が腐っていくのを眺めている」 「雪が降っている」・・・・・・・・・ そして、ここでは何も起こることがない…

northern picture library / blue dissolve

「ただひとりともまともに向き合えない人間が、大局に対してどーのこーの言うのっておかしいんじゃないですかみたいな。人ひとりがたとえその全人格を賭したとしても、やっぱ人ひとりに影響を与えるのが限界なんですよと (chibinova -2006-)」 「瑞穂みたい…

northern picture library / love song for dead che'

'願い'――それをかなえるために、誰かの夢に生まれたのだとすれば・・・ 生きる理由としては悪くない。 月に眠るとき、わたしたちは天使になる。忘れてもかまわない。季節が残した昨日を覚えていれば――空を見上げれば。ここから、また笑ってみせるから。 とこ…

yo la tengo / camp yo la tengo

やはり、鼻水たらしながら泣く女の娘というのは、美しい──ごめんなさい。神様よりも、好きです。 メーターが振り切れる瞬間。例えば、1990年の有馬記念の実況放送。あるいは、ヨ・ラ・テンゴ。 もし、あなたが、誰でもかまわないのであっても、かまわない。…

carole laure / sentiments naturels

カナダはケベック出身の、オリエンタルな雰囲気もする美形さんです。たぶんキャロル・ロールを初めて聴いたのは、このアルバムが最初だったように記憶しています。ただでさえ物覚えが悪いわたしですが、こと彼女の記憶については、群を抜いて曖昧です。そん…

epo / 音楽のような風

今のオレの音楽観は、たぶんこの曲を何度も何度も聴いていた頃から、何も変わっていないと思う。いや、変わるのはオレだけで、楽曲は何も変わりはしない。それを洗練と呼ぶことに異論はないが、失われていくもののあまりの大きさに、オレは気が遠くなる。そ…

nana / blue

彼女について、オレはほとんど何も知らない。ただ山口出身のモデルだかなんだかで、福岡で音楽活動をしていた、ということ位。ただ福岡だったのが幸いしてか、デイト・オブ・バースが、僅かに残されたアルバム1枚とEP1枚をプロデュースしている。極端に情報…

maarja / first in line

マーヤと言えば、坂本真綾かこのmaarjaである。他には知らないし、例え知ったとしても、興味を持てるかどうかはわからない。そして、オレがオレ自身やお前を嫌いなのと限りなく近い感情が働くから、マーヤとその歌が好きである。そしてたぶん、それはヴァネ…

kaco / ためいき

kacoについて、コメントすればするほど彼女への愛が空洞化かつ形骸化していくような気がして、自分としては辛いことこの上ない。のだが、オレがどうなろうと、そんなことはこのレビューを読んでくれている方にとってはどうでもいいことで、と言うより、死の…

o.s.t. / 慟哭 そして...

徹頭徹尾、猟奇と残虐なトーンに彩られた『慟哭 そして...』のサウンドトラックが、何故こんなにハッピーなムードをたたえているのか。そのギャップに、胸を締め付けられた。この他にも「どこまでも春の風 」「Venus」「白い雪」と、全部で4曲のヴォーカルト…

aphex twin / "girl/boy" e.p.

ピチカート――少女/少年。倍音。リノリウムの床、反響。窓へ。スウェイン・イン・ジ・エアー。僕たちは粒子。風に乗って――重なり続ける、倍音。旋律、の、情景。それは、遠い遠い旅の途中。旋律がふれた、墓標の記憶――この青い夜を、かすめて行った。音の記憶…

the jesus and mary chain / darklands

「不完全さなんか 何の意味もない」――若き暗殺者が放った散弾銃。引き裂かれたカーテン、あるいはオーロラ。やがて、君を想い。雨の中。うたえたのは、銀幕の向こうで。雨の中。それでも、うたってくれた「君について」を――知らん顔で燃える太陽。いつか。僕…

the pastels / truckload of trouble

スピーディング・モーターサイクル。トラック・トレイン・トラクター――スピードウェイ・スターが、ハートをくまなく熱くさせながら駆け抜けてゆくから、ファイアベルが鳴り響く。 「君が笑うと それだけで もう 嬉しくて すべてが 報われるんだ (岡崎律子 / …

the pastels / suck on the pastels

いつも、'最悪'を考える。少年が、ロケットにつめこまれた、あの、ライカ犬を想うように。 「でもね ライカ 君は見たはずさ 語りかける ソラリスの海を だれも知らない ナゾべームの星を(上田現 / 宇宙犬ライカ)」 宇宙が光るのは? 星が光るのは? 空が廻り…

あがた森魚 / 永遠の遠国

移動――熊本。南熊本。水前寺。龍田口。三里木原水。肥後大津。瀬田。立野駅(のりかえ)。長陽。阿蘇下田。あとは――終わらないカノン。少年。あるいは、少女かもしれない。ふたりぶんの影。ノース・マリン・ドライヴであり、ものみの丘である。テレビの電波の…

スピッツ / 惑星のかけら

中古自動車屋のスピーカー。低い屋根が連なるブラスター。光の音。僕は粒子で。 目をつぶるだけで遠くへ行けたらいいのに。 石油タンクの向こう。生ぬるいビールで観る星。煙草のけむり。もう、冬を知っていた屋根の上。トロンボーン。イントゥ・パレード。…

the clash / this is england

とばされたディレイ、かけらは、極東にも愛をこめた。ベイビー・ブルーの響きわたる、読み終えることがさびしいマンガの最終巻。物語とイングランドとクラッシュの終わりには、ただ、メロディだけがのこった。テレキャスター・・ もとい、ストラマキャスター…

the flaming lips / clouds taste metallic

「瞬間ごとに爆発する」――誕生。 ぽぽたん畑に吹いた風は、君の鼓膜の振動=音楽からできている。ふわふわの向かう先は?――'nobody knows,this is nowhere'――空に揺れて、ここにもきてくれた。在りえない場所の在りえない日記のように。 ギターを弾いて、風が…

klaus cornfield and lotsi lapislazuli / little tigers

'死にゆくもの'への自己投影は、許されないが、予定なく'殺されるもの'の心情は、知るよりもはやく、とびこんでくる。 誰がおまえに、俺を殺してもいいと云った? 俺を殺してもいいのは、彼女だけ、だった。 誰にも、そこからは入れない。部屋。真実。レスト…

メロキュア / メロディック・ハード・キュア

'自分より大事な人? 守るべきものは何? a-ha いつか i love you i love you'。 僕、やっぱり勇気が足りない。'i love you'が云えない。ブルーなハートより愛をこめて。 欠落した自己を埋める作業か? 複製技術への賞賛を求める作業が、やっぱり'アイ'か? …

the roosters / insane

届かない場所にいて、その声を聴く。 還れない場所を見て、やさしく在れ。 それは、'狂気のワンケース'にすぎなかった。見えている限りは、やさしく在れそうだ。ただ、届かないだけの、その場所でも。 だから、オルガンはaの循環。

o.s.t. / 'air'

彼女を想う通奏低音。 君の旋律は? 誰にでも鳴っているはずの。制御不能な。

the roosters / dis

ついに見果てぬ'悲しみの理由'――現象として、ただ、'悲しい'ということ。ガソリンの揺れることない空虚。そのスクラップの上にも未来は巡る――たましい。少しだけ息を吸った。生きてる。大気に震える'うた'が聴こえた。吹きぬけたやさしい風――それは、もはや…

the roosterz / good dreams

'i'm searching searching for good dreams,happy time and fantastic world' 現在も? 現在も。 'パラノイアック・ライブ'。その、アンコール。僕たちは確かに聴いた。いつかは風を切って知る、届かない場所が、まだ、遠くに在ることを。 '君はこの夜を素敵…

大江慎也 / rookie tonite

サンハウスの実験/ブルースが、1984により、失敗。 飛べるはずのない蝶が飛ぶ姿。エンターテイメント/成功?――吐き気がする。 泣いてたんだ、その美しさに。 僕たちの虫かごの中。'淋しい'、ではなく、'alone'。現象として見据えるまなざし。やさしく、そし…

the roosterz / phy

花田裕之、下山純。そして、柴山俊之からの'たむけのかもじ'。 大江慎也が、その'眼'となって、愛にあふれた場所。そこは、もう、'天国'と名づけるほかなかった。誰もまだ行ったことがない、その場所は。 すべてのアルペジオ、グリス。ハーフミュー トが、あ…

スピッツ / オーロラになれなかった人のために

対象――こころなどもとめてはいない。 非情なまでに対象を描く――「根野菜の泥を洗う君」 根野菜の泥なんか洗ってない? 知るかっ。ひとさまの偽史を彩るための音楽なんて存在はしない、はず。 ぼくもあなたも、ただの風景です。僕やあなたの救われない魂が、…

the la's

時計を失くした旋律を発見した僕らは。 血の流れに、軌跡に。彼女が生きていることを発見できた僕らは。 そのことを、とてもうれしく想い。 その"想い"につける、誰よりも立派で、誰よりも馬鹿みたいな名前を、いまも考え続けるリー・メイヴァースと僕らは。…

戸川純 / 東京の野蛮

中学生のとき、地元に一軒のレンタルレコード屋で、なぜかこれを借りた。'宝島'に載っていて、それで興味を持ったのかもしれない(どういった種の興味かも、もはや定かではない ; きれいなひとだな、とか?)。たぶんそのとき・・・ もしくはそれ以前から、僕…

the pale fountains / ...from across the kitchen table

「ジーンに、これ以上悪いことが起きませんように。いまも土砂降りの痛みの中を傘もささずに走っていく彼女に、これ以上」。 何故、'ジーンに'なのか。'君に'ではいけなかったのか。 無力な自分を知り、知ってなお、「彼女が救われるのなら、救うのは自分で…