『フェアリーアイドルかのん』 (袴田めら)

十月のかのん

プラスティックの塔をいくつも築いて、きみやおれは、それをラードでデコレーションする。ブクブクと肥え太った自意識から、黄色くてギトギトした脂肪が頭を突き出し──最初は針のように細く、だんだん太くなってゆく──腐った内臓を食い尽くし、まだ飢えを満たせぬ「俺」「私」たちが。鼻息を荒げながら、必死で穴を埋めようと「他人」の死体を投げ込むそのさまは。まったく、吐き気を催す。正気か?と問うことすら莫迦莫迦しくなる。