the 1000th summer of love

スナック『常務』

音楽が空に満ちゆくあいだ、無口になったきみの声にならない声は、風景、どこかで見ているって知るまえに、知る。

マイケル・ヘッドがジーンの無事を祈るとき、目の前が対岸の'火事場泥棒たち'の「CDか」なんて'ふっかつのじゅもん'は聞きたくない。

モダーンズが高鳴る胸の希望と不安で蹴り開けた八十年代の扉の続く先は、死体、蹴り開けたその足に群がるリヴィング・デッドの群れか?

ティーンエイジ・キックスは死んだりしない。終われもせずに続いている。生きていて、続けざるをえない。生きていて、ギターを手にした。彼女はまだあの夏にいた。ジョニーは二十三歳で成長が止まったままだ。こころに茨がささったままだ。仲直りしたいって想ったままだ。ストップ・ザ・レインってさけんでも土砂降りがずっとつづいている。

それでも、雨は。

十五分だけの雨宿りで女の子は恋に出逢った。虹の河は海へと続いた。海へ行くつもりじゃなかった男の子は空を見た。赤や黄色の風船の行方を気にした。いままでのきみはまちがいじゃない。そんなにもまちがえて、こんなにもうまれた。

解放せよ。ディケイドを特定から。まずは、建てられた船の修理から。