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変わらないものは何も変わらない

「親愛なるユカ いつか 心を失くした人は きっと皆 水に帰るんだって (art-school / little hell in boy)」

遅れて手にいれたこころ――エヴァグリーン・デイズド――想いうかべられるのは、すべて虚構で。

そんな、あらかじめ過ぎなかった季節にすら、辿り着くことが困難になって。

オーロラになれなかったひとのために奏でられる音楽。そのギターの音は、シュガーフロスト。コーティングやぶって、本棚へと歩く旅の途中。軋む背骨と、続く洗濯。

世界の終わりにすませる洗濯は。もう、誰かが着るためのものではないシャツをピンチでとめて。世界の終わりにも、新しく生まれた命の意味を焦がすように。処理されない下水道へ。辿り着けなかった海へ――雪だったら、もういちど海に降れたらいいのに。


非常ベルを押し続ける――降るころには、限りなく透明に近づけるだろうか?