あのニレの木の森は海をめざす

海に生まれるつもりじゃなかった?


冬の最後の雪は降り続け、海岸線、祖母は逝った。


大正桜に浪漫の嵐が吹き荒れ、育った子どもは、第二次世界大戦なんかなくても、きっとしあわせになれた。


スーパーノヴァ。その日、生まれたこどもたちの、最後は、どうか幸せな記憶を。
明るい灰色の空を。
雲になって、雨と降って、その針見て歩いてゆく、背景の花葬を。
終わることのない輪廻の上、たまには自由に羽なんか伸ばしては、伊豆とか熱海とかいってらっしゃいな、って、首、斜め下のまま想える強い孫になりたい。