この世の果てで恋を唄う少女

少女は太陽の下で恋に出逢う。
朝の残光の中で。
少女は願う。
この幸せな種族なら彼女の紫色の翼をひろげてくれると。


少年は少女に出逢う。
暗闇の中。
世界の終わりの暗闇の中。
少年は願う。
このプラスチックの月が永遠に在るようにと。

少年、あるいは少女かもしれない。
運動場を駆け抜けてゆく。
松の木と運動場を。
この世の果てで少女は唄う。
恋を。
生きていたことを。


咲きほこるぼくの花が永遠の前で理由に揺れる。
理由がそこに存在する理由に。


少女は太陽の下で恋に出逢った。
朝の残光の中で。
少年は少女に出逢った。
暗闇の中。
世界の終わりの暗闇の中で。

まもなく夜が日々を捕らえ、一日ごとに僕らは死んでゆく。
少女は恋に出逢った。
太陽の下で。
この世の果てで。


咲きほこるぼくの花が永遠の前で理由に揺れる。
理由がそこに存在する理由に。