対象――こころなどもとめてはいない。
非情なまでに対象を描く――「根野菜の泥を洗う君」
根野菜の泥なんか洗ってない? 知るかっ。ひとさまの偽史を彩るための音楽なんて存在はしない、はず。
ぼくもあなたも、ただの風景です。僕やあなたの救われない魂が、光や風や温度です。それがカルシウムだろうが、タンパク質だろうが、原料が木であろうが、磁気だろうが、燃やすと青い炎が出ようが知ったことじゃないです。
きみのまつげで揺れているのは水晶の粒であって、それ以上でも、それ以下でもありません。ただ、スピッツは、それを'涙'と名づけただけです。