『アクアリウム』 (須藤真澄)

happy valley to me, to you

無力さに泣いていた。でもそれが、思い上がりなのだということもよくわかっていた。ポピュラスじゃあるまいし、神さまにはなれない。じゃあ、総理大臣とか?あんなの、ゴーレムじゃないか。そう吐き捨てることはたやすい。要は、おれが頑張れたのか頑張れなかったのか──それだけのことなのだ。あなたは、わかろうと努力したの?──わからない。ほんとうに、わからない。ただ、おれの代わりに誰かが生かされるのなら──とてもうれしい。