行く先は故郷にあらず

時計よりも速く

水晶になりたくて、水晶になれなかった。つぎの風景はレストランで働く女の子だった。やさしい声を聴いてた。しあわせになる。そう信じてる。血と涙を流しても。

あとは、もう。ふりかえらず。

あがた森魚を聴いた。全然かなわないなと想った。聴いてるみんなが、女の子を見守った。いつか、料理を食べにいくよと想った。あがた森魚は消えていた。

だけど、なにも恐れないさ。きみはとてもすてきなひとだ。僕らは、それを演奏するだけだ。そして、練習すればするだけ、すてきだと想えるのだ。

また、聴きにいこう。女の子の成長を見守るには、あがたにも僕らにも残された時間は少なすぎる。