飛ぶ夢をしばらく見ない

ソルファ

チビ猫曰く、

「猫であった人間は、つり革につかまらず立っていられる。猫でなかった人間は、座ったりつかまったりしている」

だって。


人間はふえている。こないだまで、猫でいっぱいだった地下鉄にも。やがて、ゆっくりと、ひとは猫になって。また、春を待つ。


風が出てきた。わかるか、真琴?


ひたすらに、エビにパン粉をもふもふと、もふもふとつける。明けたら、翌日はギグだ。「ヒゲをこじらせてしまって・・・」とかなんとか云って、朝の労働をばっくれてやろうか、とも想ったが。街がエビフライを待っちゅうきんね!


出すフライすべてミリオンだ!

おまえにレインボー!


あぁ、そんな演奏ができたらいいなと想う。百合ヲタの刻むハイハット(必死 ( 藁 ))で。オメガ粘着なbl厨特有のドライないアイで。光の数だけふえたものを。オレがきみを見つけようなどと。リヴァーブはカテドラルで。ディストーションのび太の部屋の畳の下と、ロップルくんの宇宙船のドアのあいだのように。揺らぐように。繋ぐように。すべての音、以外のすべてが。すべてのひとの鼓膜に振動して、乱反射、リノリウムの床。反響。窓へ。スウェイン・イン・ジ・エア、届くように。こんな世界、終わってしまうと逢えなくなるような世界で。トゥデイ・フォーエヴァーって、云う!


だから、そこにいて聴いて。にぎやかな場所でかかりつづける音楽に、耳をかたむけていて。飛んでゆく、誰か放した風船の行方を、僕らも気にするから。空を、ねぇ。チルと。すべての観鈴ちんに。