星のラヴレター・フロム・彼方

sunshine

「奇跡は起きないから、奇跡って言うんですよ (美坂栞 -1999-)」


そう云って、誰よりも生きたいと願った彼女の願いを叶えた彼女や、きみの日常にだけ積もったぶんの奇跡を。


「忘れないように憶える僕らは、くだらないことだけを残して。繋いだ手と手を離さないように。雨がいつでも降り注ぐように (fullswing / drop the head)」


日記っていうのはね。きみの弱さの、夢見た日々の、切りとった情景を――つまるところ、その公園のとっぱらわれたベンチのこと、僕が憶えるには、きみが綴るしかないってことだ。


そうやって、忘れてゆく。たしかにたのしかった、そのことが、どんなことだったのか忘れてゆく。それでも、桜が咲くたびに、僕の生きてきた醜さにも、たしかにたのしいことは在ったのだと、想い出せず、でも、わからないまま、でも、桜見て、首をかしげるのだろう。


走る。福本のように。松本のように。スーパーカートリオのように。かつてb-flowerがそうしたように。雪の朝ロビンのように。変わらないものは、なにも変わらないと。はやくきみに伝えに行かなきゃ。


生きていれば、またルイ・フィリップもやってくる。ペネロープスも、ミニスカートも、僕らもギグをやる。dj マッチなんて、隔月でやってる。見せたかったのだ。風子にも、その幸せな光景を。転がされ土下座した糞まみれの純情が、たったいちどだけ咲く、虹を。胸焦がす、その虹を。