トーキング・アバウト・高橋マリ子

屋根の上のマリ子

雑音が消えれば不快さがきわだち
夜明けともなれば睡魔が襲い来る
おれは腐ったいまだ喚き散らす骸を抱えて走り回る

たとえばもうひとつの命が与えられ
瞬く星のどれかに生まれ落ち
くびきを負った罪人として生きて
はじめてなにをすべきか知れたなら
その時こそ信じていた見えない何かを
「愚かさ」と気付き色を失ってゆけるのだろう

何の音沙汰もなかった昨日があり
期待を裏切るために今日がやってくる
今、頭の中では失望がとぐろ巻き
おれはやたらと煙草を喫い気をまぎらわす

ああ神よ、おれを心地良い光の草辺で
永遠に浅い眠りへと墜としてくれ
休息を与え、足りなかったかけらを
もう一度涙なしに探させてくれ