『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』 (華倫変)

カリソペソ

2002年のロスト・アンド・ファウンド

宍戸留美が果たせなかった夢を、アンセブが継ぐように。
星を継ぐものがいて。星を欲しがる馬鹿がいる。

「星を指差すと、馬鹿は指先を見る」

『もう森へなんか行かない』の項を繰るジョイスの、心の襞にさざめく小波が。やがてビッグ・ウェンズデイとなり。ロビンソンはフライデーと出会い。アロアやクララとの想い出のように。

「潮時かな?」
「シオドキ?」
「うん もう意味がない気がする 続けても意味がないのに終わるのがこわくて 続けてるだけだ 終わったら終わったで何かある気はするけど それは終わってないから思うおごりなのかな? でも終わりたいなーって もういいやって気持ちはいつもあるよ」
「そう ならいいわ / 良かった 消えてあげる」

ぼくらは、どれほどの罪を犯してきただろう。彼女の、白く透き通る肌を赤黒く曇らせたのが、なぜ自分でないと言い切れるのだろう。


音楽は、やさしい声が嗄れてしまっても、記憶の中に響いている――香りは、かぐわしいスミレがしぼんでしまっても、活気づいた感覚の中で生きている。バラの花びらは、バラが枯れてしまっても、積み重ねて最愛の人の床になる。だから君がいなくなっても、愛そのものがまどろむだろう。(シェリー「音楽」より)