せつなさの風景

ひろしにプレゼント

ごきげんよう。メンバーのれんげちゃんです。リーダーから「なんか書け」と高圧的ながらもしつこ過ぎない命令をくだされたんで、「じゃあ、やおいネタを書いてもいいですか」と上目遣いで訊いてみたものの「それはちょっと(強い気持ち・強い愛のB面)」と一蹴されてしまったためぶっちゃけ何を書けばいいのかよくわからなくなってしまったため、「pastel madness」に上げるつもりだった記事をこっちにまわしてお茶を濁しておこうかと思います。たぶんリーダーからは「もう書かなくていいから」とのお達しがくるような気がします。それはそれでホッとしながらも、ジャンルにしばられない貪欲さでガックリもするような。


1. なんか今さら書くのもためらわれるのだけど、以前マスタードさんにダビングさせていただいた『皇帝ペンギン』のサウンドトラックが激しく良すぎっていうか琴線ぶった斬って奈落の底までってぐらいヒット。なんかもうこういうの聴くと、自分が曲つくる必要ないやんって思っちゃいますね。ここにあるやんと。まぁ、いずれにせよ今はつくっていないわけですが。ああ、でもドラム叩いたりしてるな。ていうか、完全にこっちの好みを見透かされているようで、こそばゆいったらありゃしないですよ。冒頭の数曲がなんかムームっぽいなと思ったら、やっぱ今年のサマソニに出てたんですね、エミリー・シモン。この人ふつうに売れてるらしくて、トリッキーの前座やったりアルバムに参加してたりするらしい。『ニュー・ミレニアム・テンション』で止まってるからまったく知らなかったんだけど。ケイト・ブッシュもよく引き合いに出されるみたいで、たしかに「嵐の詩」って曲なんか、もうまんま「センシュアル・ワールド」だった。道理で街のレコード屋でも面出しでアルバム売ってたりするわけだ。ヴェルヴェット・ムーンで扱っているようなら、既発の音源を全部注文しよーっと。とにかくマスタードさん、いいものをありがとうございました。


2. 数年ぶりに音信不通だった知り合いにあって話をしたりすると、お互いに数年前のまま相手をイメージすることからうまれる齟齬というのが必ずあって、それがなんだか蓋をかけ忘れたマンホールみたいでおもしろい。だもんで天気の話ではあまりに他人行儀だし、なんとなく時事ネタについて当たり障りのない会話をかわすことになるんだけど、しばらく話しているうちに「ああ、こういうことを言う人だったな」と実感されてきて、でもだからといってその会話が決して弾むことはなく、沈黙の占める割合いのほうが多くなった頃に「それじゃ、また」とかなんとか言って別れる瞬間がとてもせつない。どちらも「また」なんてないことはわかりきっているのに。卒業式が終わったあとで、ちょっといいなと思っていた人を目で追う瞬間に似ているかもしれないし、似ていないかもしれない。いずれにせよそんなときの空の青は、どうしようもなく薄い。