アルカロイズ・アルカノイド

ナンプラー日和

あと二十年は、葬列になんて参加したくない。踏み込むペダル。折れる木の枝。そうやって毎秒スタートを切っている。その恋が、愛なんてものに代わってしまって、引き裂かれることのないように祈ってあげよう。


バスの窓、外は富士。
太陽の塔みたいに奇景だった。
ドブネズミみたいに美しかった。
写真には写らない美しさが在った。


「train-train 走って行く。train-train どこまでも (the blue hearts / train-train)」


歌、ちがうし。
バスや云うてるし。
あぁ、そうやって僕も、どこかにずれてもゆけたのかもな、と想い、かなしくなった。
そんなことまで想わな、正直さに自信のもてない子に育ってしまって、ママンとパパンにもうしわけなくなった。